経営に悩んでいる社長達へ
皆様は、何としても現状を打破しようと、方針の通達、組織改革、人事発令など色々手を打っていると思います。しかし、必死の努力にも拘わらず、リストラ・賃金凍結やパワハラ・セクハラの横行などにより、不信・不安・無気力な職場が存在しているとするなら、ウォートン経営戦略シリーズ「熱狂する社員」が問題解決の一助になると思います。そこで、どう解決できるかについて、本書のコンセプトをベースに想像力をちょっと付け加え、3つのケースを作成しました。ケースの内容は、架空の3人の社長さん達と私の経営に関する会話です。なお、相当偉そうな”私”ですが、話を分かり易くするためですので、ご理解願います。
◆ケースA”達成感を与える”
私:まず、A社長にお尋ねします。御社のビジョンを教えて下さい。
A:いや、忙しくて、ビジョンを作る暇がないのです。それより、収益を上げるのが先決です。
私:ビジョンを作っていないのですか。では、社員は、情熱をもって仕事をしていますか。
A:いつも、燃えて仕事をしろと部下に叱咤激励しています。今年も念頭訓示にも入れましたし、情熱をもっていないはずがありません。
私:収益だけを目標に、ひたすら働くと社員がモラールを落とします。達成感がなくなるからです。あなた自身が、「今日はいい仕事ができた。」と納得するのは、どういう時ですか。自分の技量が充分発揮でき、会社や顧客に大きな効果を与えた時でしょう。会社や顧客に価値を提供できた姿すなわちビジョンが明確なら、社員は情熱をもって、ビジョン実現に向けて、仕事をします。達成感を感じるからです。業績回復の第一歩は、ビジョンの構築だと判断します。
A:そうですか。そうおしゃるなら、やってみましょう。
半年後、再び話し合いがありました。
A:お陰様で、ビジョンができました。文書にし、映像まで作りました。でも、何も状況は好転しません。むしろ悪化しています。
私:今回のビジョンは、Aさんの信念を表現した「技術と革新で、ビジネスの質を向上させる。」というものですね。素晴らしいビジョンだと思います。ただ、それを実務に落としましたか。例えば、R&D部門の人員強化をするとか、グーグルのように自分の仕事時間の20%を自由に使えるという”20%ルール”を導入するなどです。
A:いえ、足下を固めるのが先決です。実は、利益を出すために、今期はR&A投資をカットしています。
私:とすると、社員は、社長のビジョンに偽善性を感じたかも知れません。今からでも遅くありません。自分の”本気”を言葉のみならず組織やリソース投入などでカタチにして下さい。そして、より重要なのは、ビジョンに基づいた商品・サービスを世に出すことです。それで初めて、顧客にも社員にも、社長への信頼が生まれます。
A:わかりました。早速部下に指示します。
私:???
◆ケースB”公平感を示す”
私:Bさんが社長になってから、業績が回復しました。何かを変えたのですか。
B:私は、フェアを信条にしています。それを徹底しただけです。例えば、前社長時代には、役員専用エレベーターや専用駐車場がありました。それをオープンにしました。ビジネスへの貢献が明確でなかったからです。
私:なるほど,確かに公平ですね。他にも、公平感を醸成する施策を実施しましたか。
B:以前は、リストラをしたのですが、実は役員の数は増えていました。自分の立場を強化したいという前社長の意向があったと思いますが、社員のモラールは当然落ちました。理不尽でしたので、役員の業績目標を明確にし、その達成度により処遇を決めました。結果、役員の顔ぶれも変わり、数も減りました。
私:上から厳しくしたのですね。
B:単に厳しくしたのではなく、役割を明確にしたのです。また、役員の業績目標も含め、情報を出来るだけオープンにしました。コミュニケーション統制は、不合理で非生産的だからです。
私:Bさんのこのような言動が、社員の目つきを変えたのですね。
◆ケースC”連帯感を強める”
C:業績が悪いせいか、職場が暗いのです。
私:しかし、全職場が暗いわけではないですね。どこかに違いがあるはずです。職場リーダーの性格の違いもあると思いますが、多くの場合、目標設定に問題があります。
C:目標設定?
私:チームとしての目標設定がないということです。近年、個の専門性強化が叫ばれ、人事評価も個人中心となったためです。それで、他の人と話す必要がなくなり、パソコンに向かっている人ばかりの職場になるのです。しかし、人間は本来社会的な動物ですし、チームで行動した方が、互いに刺激しあい、パーフォーマンスが上がります。
C:チーム目標を明確にし、チームを活性化する環境を作ればいいのですね。
私:その通りです。話し声、笑い声、歌声(?)が溢れる連帯感ある職場が出現します。その結果、会社全体が明るくなります。ただ、目標設定は慎重さが必要です。市場のトレンドやライバルの動向もよく捉え、自分達の現在のポジションを把握して、最適な目標を設定して下さい。決して、前年比とか自分の経験だけで、目標を決めないで下さい。
いかがでしたか。多少は参考になりましたか。結論は、「達成感」「公平感」「連帯感」の3つが社員を熱狂させる秘訣ということです。
まずは、本書を読むことをお奨めします。そして、出来るなら自らブログを開設し、このブログにトラックバックして頂けると幸いです。経営について、社員を熱狂させることについて、多いに語りましょう。
最近のコメント